(ジュニア小説)
タイトル
著者
出版社 形態 発表年(初出)

〜幻夢義経記〜

武上純希
角川スニーカー文庫 文庫 1992
  奥州にて源氏再興の時を待つ義経に迫る陰陽師鬼一法眼の邪悪な魔の手!それを救うべく現れる美少女・静!近年人気のオカルティック歴史モノの先鞭ともいえる一作です。かっこいい正統派ヒーロー義経とミステリアスで可憐な静のロマンスにうっとり。一方義経を取り巻く郎党衆はギャグ担当。とくに弁慶…義経へのせつない片思い(うわぁ)にやきもきキュンキュンするさまはかわいいやらブキミやら。
★★★
  
魔剣伝
〜牛若丸異聞〜

流星香
新潮ファンタジーノベル・シリーズ 文庫 1992
  若き牛若丸が受け継ぎし「黄金の太刀」。血を求め慟哭を呼び世を乱す、「魔剣」であった。
人に寄生して心身を憎悪で満たし、破壊を招き、悲哀と嘆きを生むという伝説の魔剣をめぐる伝記歴史ファンタジー。ピュアで生意気でかわいいようでかわいくない牛若丸の複雑なキャラクターや、決してロマン一点張りではないクールで生臭いストーリー展開は、司馬遼太郎「義経」を彷彿とさせます(鞍馬寺でイジメを受けるあたりなんかそっくり)。ライトノベルというより本格派歴史小説の印象。結末の後味の悪さにはちょっぴりヘコみます。
★★
  
千の夢を見る
〜義経転生幻想記〜

倉本由布
集英社コバルト文庫 文庫 1993
  奥州時代の義経と、その恋人だった少女が現代に転生し、記憶を取り戻してゆく物語。というとものものしそうだけどそこはジュニア小説、ライトタッチでとっつきやすいです。時代物というよりもロマンチック&ファンタジックな現代恋愛劇として楽しんだほうがいいかも。
★★
  
華焔
〜義経の妻〜

倉本由布
集英社コバルト文庫 文庫 1993
  義経の正妻である河越氏の娘・葵の視点で描かれた義経の物語。舞台は源平時代ですが登場人物らはれっきとした現代人(感覚)。義経は気さくな好青年でとてもいい奴。でも葵は義経の従者の少年・鬼王に心惹かれて…。歴史的背景が丁寧に描かれていますが、それよりもヒロイン葵の、迷いつつもおのれの人生をまっすぐ歩んでゆこうとするけなげさがストーリーの引力になっています。
★★★
  
風さやぐ
〜弓月と遮那王〜

小山真弓
集英社コバルト文庫 文庫 1997
  鞍馬の遮那王が、鬼の血を引く美少年弓月と出会い友情をはぐくんでゆく物語。平安末期の幻想的な世界観にうっとり、…したいのはやまやまなんですが完全にBLモードなので読んでて終始気恥ずかしい。遮那王が鞍馬を出ていざ奥州へ!と盛り上がりかけたところで話が終わっちゃうし。
★★
  
姫神さまに願いを
〜夢路の剣〜

藤原眞莉
集英社コバルト文庫 文庫 2000
  …いろんな時代を旅する「姫神さま」とやらのシリーズなんでしょうか?(この一冊しか読んでないのでわからない)ともかくその主人公が源平時代にやってきて頼朝義経兄弟の確執に介入してくる物語。ニヒルで不良っぽい義経のキャラは何だか薄っぺらだし、天然ほわわ〜んとした「いいひと」頼朝なんて頼朝じゃねえ!キモチワルイ。ストーリー云々よりも各キャラクターの設定がどうしてもキツかった(=好みじゃなかった)ので…ごめん、パス。
  
源平伝NEO
(0〜2巻)

あかほりさとる
角川スニーカー文庫 文庫 1998〜
  源平キャラを現代高校生に置き換えての学園サイキックバトル! ライトでチープなこのノリを楽しむには、この原作小説よりもマンガ版のほうがおすすめ。売れっ子作家あかほり先生独特のバカっぽい文章(わざとだろうけど)は、個人的にちょっとノレない。でも世界観の設定は好き。
★★
  
五条霊戦記
〜天挑む鬼〜

古屋葉月
角川ティーンズルビー文庫 文庫 2000
  2000年公開映画「五条霊戦記」のジュニア小説版ノベライズ。とにかくまずは映画を観て、映画と微妙に設定やキャラクター像がちがってるのを楽しみましょう。たとえば映画では最後の最後まで喋らない芥子丸という影武者の少年が、この小説ではのっけからたくさん喋ってくれます。
★★
  
花雪小雪
〜裸足の舞姫〜

佐藤ちあき
集英社コバルト文庫 文庫 2002
  はねかえり舞姫・静と勇将・義経のすれ違う心の行方は…。
気の強いはねっかえり娘・静が都で出会った「やな奴」義経は、実は幼くして死去した本物の義経の替え玉で…。設定にひねりがあってストーリーもテンポよく、きらびやかな歴史恋愛モノとして楽しめるんじゃないでしょうか。ケンカしつつ惹かれてゆくというまだるっこしい学園ラブコメ的展開は個人的にあんまり好きじゃないんですが。義経と静はコナンとラナのように出会った時からごくナチュラルに惹かれ合っててほしい。
★★
  
陰陽師 九郎判官

田中啓文
集英社コバルト文庫 文庫 2003
  悲運の美将・源義経は、希代の陰陽師だった!?
歴史の波に翻弄される純情美青年・九郎義経は、金髪碧眼の謎の美女・馬李阿(まりあ)の導きにより、己が安倍晴明の血を引く陰陽の能力者であることを知る。そんな義経に次々と襲いかかるオカルティックな事件!異国の封魔師・静(本名ディアナ・サイレンス)の義経への一途な純愛がかわいらしい、ちょっとガラ悪いけど。臨場感あふれる描写、個性的なキャラクター勢が魅力的で本格派歴史ファンタジーの世界を堪能できます。お話が壇ノ浦までで終了してしまっているのがもったいない。
★★★
 
ゆめのつるぎ
〜少年源頼朝の巻〜

若木未生
集英社コバルト文庫 文庫 2005
  13歳の源頼朝は平治の乱で初陣に臨んでいた。しかし心は戦にあらず。33年後に鎌倉幕府を開くことなど知る由もなく、自分の将来についてくよくよと悩んでいる。〜中略〜戦乱の世に我知らず身を投じていく少年の運命やいかに?若木流新感覚源平絵巻、初見参!
ごめんなさい未読…
(※作中に義経はまったく出てこないようです)
  
義経伝説幽霊事件
“京都探偵局”

風見潤
講談社X文庫ティーンズハート 文庫 2005
  人気シリーズ「京都探偵局」“幽霊事件”シリーズの19作目。主人公・名探偵水谷麻衣子の後輩が殺人容疑をかけられた!真犯人の足取りはなぜか源義経の逃避行ルートと一致していて…。義経をめぐる伝説が謎解きの重要キーとなっており、神戸(一ノ谷)や奈良の吉野山、安宅、平泉など義経ゆかりの地が次々と出てくるのでちょっとした旅情ミステリの雰囲気も楽しめます。
★★★
  
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